初夢

1月2日、初もうでに行った。

場所は落合氷川神社西武新宿線の車中から鳥居がよく見えるのでなじみがあったが、行ったのは初めてだ。



お賽銭箱に宝船の絵が置いてあり、枕の下に敷いて寝てくださいと書いてあったので一枚いただいてきた。

 

するとその晩夢を見た。

昔働いていた職場のチームリーダーのお姉さんが現れて、なにかリアルな会話をしたのだ。そのお姉さんのことは退職後数十年間、たぶん一度も思い出したことはなかったのに。

似たような体験は、ノロだかロタだかの感染症にかかって苦しんだ時にもあった。人は死ぬときに走馬灯のように今までの人生を見るというが、まさにそんな感じで、トイレに閉じこもってゲーゲーピーピーしているときに普段思い出しもしないことがふとよみがえってきたりして不思議に思った。

記憶とは不思議なものだ。忘れたと思っても実は湖深くに沈んでいて取り出せなくなっているだけなのだろうか。

年齢とともに記憶力が衰えていくのを自覚しているが、覚えるほう(input)はどうにもならなくても、沈んでいる記憶を釣り上げるほう(output)は、もしかしたら画期的な手段をだれかが開発してくれるかもしれない。

その日はいつかなあ…

チームリーダーのお姉さんと交わしたリアルな会話は、目覚めたときには覚えていたのに、いつの間にかまた記憶の湖に沈んでいき今ではまったく思い出せない。

 

枕の下に敷いた宝船の絵を見ると、船いっぱいのお宝は記憶の湖から釣り上げたたくさんの思い出に見えてきた。